11月10日から12日にかけて、長野県小海町で開催された「八ヶ岳星と自然のフェスタinこうみ」(小海星フェス)というイベントに参加してきました。

生来の出不精もあって、こうしたイベントにはほとんど縁がありません。ただし、八ヶ岳南麓の富士見町に自前の観測所がある関係で、ご近所のイベントだけはよく参加していました。鈴木隆さんが主催する「望遠鏡オフ」の会場「尋常高等小学荘」(山梨県小淵沢)まではクルマで5分、「サマーホリデーin原村星祭り」の会場「八ヶ岳自然文化園」(長野県原村)まではクルマで15分で行けるので苦にならないからです。しかし、それもコロナ禍でここしばらく開催されていません。

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富士見天体観測所と八ヶ岳(編笠山)
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富士見天体観測所と南アルプス(甲斐駒ヶ岳)

というわけで、今回は会場となる「小海リエックスホテル」まで観測所からクルマで小一時間で行ける小海星フェスに足を伸ばしてみることにしました。前日9日(木)夕刻に東京の自宅を出発して富士見町の観測所に一泊。翌10日(金)に小海に移動し、12日(日)まで二泊は現地でソロキャンプをする計画です。

富士見町の観測所には9日の深夜に到着。大学時代は口径25cmの対物プリズムでスペクトル観測をしていた観測所施設も、最近は観測棟の設備よりも宿泊棟の快適化にコストを費やすことが多くなり、完全に別荘化してしまっています。そんなわけで翌朝は宿泊棟で少しのんびりとし、10日金曜日にいよいよ小海に向かって出発しました。

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松原湖畔の公園は紅葉でカラフルに染まっていました

八ヶ岳高原ラインを走るのも、141号線を通るのも何十年ぶりでしょうか。40年近く八ヶ岳に通っているのに、八ヶ岳ビューロードなど初めて走ります。途中で紅葉の山並みを楽しみながら10日昼前には会場の小海リエックスホテルの駐車場に到着しました。

メイン会場に陣取る主催者やメーカーさん、キャンプ場の皆さんを除けば、日帰りor車中泊組の参加者が駐車する第2駐車場にもまだ人はまばら。メイン会場から遠い第3、第4会場は空っぽです。私はタープを建てたり、望遠鏡を広げるスペースを確保できそうな誰もいない第3駐車場に陣取りました。

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キャンプ用品を出して過不足を確認し、設営を終えると次はさっそく職場の会議に参加。は?

何が悲しいと言って、小海まで来て職場の会議から離れられないことほど悲しいものは無いのですが、最近の会議はすべてオンライン。そう考えるとZoom様様です。ただ、自分が小海にいることは職場の誰も知らないので、今まで使ったことのないバーチャル背景やリゾート感のある白樺林のリアル背景で怪しまれないよう地味なタープをバックにします。あとは何も知らない通りがかりの人が「こんにちは〜」なんて近づいてきて画面に突如登場しないことを祈るだけです。そんなわけで、実は誰もいない第3駐車場に陣取る理由がもう一つあったのでした。

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午後3時半、空っぽの駐車場で2時間弱のオンライン会議は無事終了。おかげで、どなたの訪問も受けずに済みました。

余談ですが、こんなスケジュールで外出できるのも、38年間勤めた仕事を今年3月に辞めて新しい職場に移ったおかげです。特に最後の10年は息をつく間もない日々でしたから、この日は会議が終わると、晩秋の八ヶ岳の空気を思いっきり深呼吸して身の振り方をしみじみと振り返るのでした。(つづく)

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今回、クルマに積んできた機材は次の通りです。

・Zeiss 13cm屈折 APQ130/1000(1b最後期型赤道儀、3VS三脚仕様)
・Zeiss 6.3cm屈折 Telementor 2(T型第3世代赤道儀、2V三脚仕様) 
・Zeiss 6.3cm屈折 Tememator (TM型電動赤道儀、2V三脚仕様)
・Zeiss 5cm自作鏡筒(Zeiss E-type 50/540 Conradモデル)
・Zeiss 5cm自作鏡筒(Zeiss C-type 50/540 モデル)
・Zeiss 双眼装置、A・V・P・W・O・M・H 各アイピース
・その他クラベ、テレビューのアイピースなど。